図解病態のしくみ
るいそう
湯地 重壬
1
1北里大・内科
pp.374-375
発行日 1973年3月10日
Published Date 1973/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204662
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るいそうと肥満
るいそうは肥満と対比して論じられることが多い.すなわち肥満とは逆に,るいそうは貯蔵脂肪組織の量が異常に減少した状態であり,摂取カロリーが消費されるカロリーを下まわっていることがその成因とされている.しかし,るいそうでは脂肪組織のみでなく,筋肉の蛋白も滅少している.またすべての肥満組織は治療の対象とされるが,るいそうではその軽度のものは日常生活に何らさしつかえないものがある.さらに肥満では,単純性肥満が多いが,るいそうでは食物の摂取や吸収の障害,またカロリー消費の増加をきたす疾患などによる二次的なるいそうが多い.図の中央に示したごとく,摂取された食物は吸収されて栄養物となり,体内で利用・貯蔵されるが,まわりに示したように,このいずれかの過程の障害によっても,るいそうが成立する.
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