特集 周産期の画像診断 第3版
胎児診断から新生児診断へ
著明な羊水過多
精 きぐな
1
,
伊賀 健太朗
1
,
菊池 新
2
SEI Kiguna
1
,
IGA Kentaro
1
,
KIKUCHI Shin
2
1聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター産科・周産期科
2聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター新生児科
キーワード:
羊水過多
,
食道閉鎖
,
VACTERL連合
Keyword:
羊水過多
,
食道閉鎖
,
VACTERL連合
pp.606-610
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001929
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はじめに
羊水過多は,妊娠中の異常のなかで比較的頻繁に見られるものの一つであり,頻度は0.2~1.6%とされている1)。最大羊水深度(maximum vertical pocket:MVP)8 cm,amniotic fluid index(AFI)24または25 cm以上が羊水過多の超音波における診断基準とされている。羊水の産生は胎盤,胎児尿排出,胎児肺からの分泌液が主であり,羊水の吸収は胎児の嚥下,胎盤による吸収が主となる。妊娠後期の胎児は1日に500~1,200 mLの排尿をし,210~760 mLの羊水を嚥下するといわれており,この平衡が少し崩れただけでも羊水量に影響しうると考えられている2)。
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