Japanese
English
特集 新しい角化異常症の世界
総説
新しい角化異常症の世界
An unknown world of disorders on keratinization
武市 拓也
1
,
秋山 真志
1
Takuya Takeichi
1
,
Masashi Akiyama
1
1名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Nagoya University Graduate School of Medicine
キーワード:
遺伝性角化症
,
先天性魚鱗癬
,
皮膚バリア機能
,
セラミド
Keyword:
遺伝性角化症
,
先天性魚鱗癬
,
皮膚バリア機能
,
セラミド
pp.656-661
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002097
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近年の解析技術の進歩により,角化異常症の分野は新時代を迎えている.過去10年という短期間に登場した多数の生物学的製剤は,尋常性乾癬をはじめとした炎症性角化症の治療に劇的な変化をもたらした1).さらに,それら有効な治療法の発見に基づいた疾患の病態解明が進み,病因が定まっていなかった疾患にも新たな道筋がつけられ,より高い効果と安全性を目指した治療法の選択が求められる時代になりつつある1).また,稀少疾患が多く含まれる遺伝性角化症も,数家系,ときにはたった1家系から新規病因遺伝子を同定することが可能になり,遺伝子型に基づいた病型分類により,疾患分類がより明確になってきている.さらに,CRISPR/Cas9技術と組み合わせることで,これら稀少疾患のモデル細胞やモデル動物も,短期間で樹立することができるようになった.したがって,目の前の1症例から新規の病因遺伝子を同定し,その発見をもとに,思いもかけないような新知見が得られることもある.本稿では,角化異常症の中で遺伝性角化症に焦点をあて,最近新しく報告された知見をいくつかピックアップし,時々刻々と拡がりをみせているその魅力的な新しい世界について,詳しく紹介する.
(「はじめに」より)
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