Japanese
English
特集 新しい角化異常症の世界
Topics
汗孔角化症:明らかになり始めた分子病態
Pathophysiology of porokeratosis
久保 亮治
1
Akiharu Kubo
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
クローン増殖
,
ツーヒットセオリー
,
メバロン酸経路
Keyword:
クローン増殖
,
ツーヒットセオリー
,
メバロン酸経路
pp.650-655
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002096
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
汗孔角化症(porokeratosis)は,1893年にVittorio Mibelliによって初めて記載された皮膚病で1),皮膚科の日常の診療において,しばしば診察する機会のある疾患である.いくつかの病型が知られているが,中年~老年期に,四肢を中心にほぼ全身に皮疹が出現するdisseminated superficial actinic porokeratosis(日光表在播種型/播種状表在性光線性汗孔角化症)が,もっとも日常臨床で遭遇する機会が多い(図1).珍しい病型として,幼少期から身体の一部にBlaschko線に沿った分布を示すlinear porokeratosis(線状汗孔角化症)がある(図2).その他に表在播種型,掌蹠型などが知られているが,多発するものについてはmultiple porokeratosisとしてまとめる考え方が出てきている.原因遺伝子が明らかになってきたことで,今後,臨床症状と原因遺伝子から病型を再分類していく必要がある.
(「I.汗孔角化症とは何か」より)
Copyright © 2020, KYOWA KIKAKU Ltd. All rights reserved.