Japanese
English
特集 角化症~角質の科学から考える~
総説1
角化症を科学する~魚鱗癬の病態を,角層脂質の異常と炎症のプロファイルから紐解く~
Pathophysiology of ichthyosis is unraveled from understanding of stratum corneum lipid abnormalities and immune profiles of inflammation
秋山 真志
1
Masashi Akiyama
1
1名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Nagoya University Graduate School of Medicine
キーワード:
炎症
,
魚鱗癬
,
セラミド
,
バリア
,
免疫プロファイル
Keyword:
炎症
,
魚鱗癬
,
セラミド
,
バリア
,
免疫プロファイル
pp.208-214
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000003331
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●表皮の機能性脂質は皮膚角層のバリア機能において大きな役割を果たしているが,とくに,超長鎖(ultra-long-chain:ULC)脂肪酸をもつアシルセラミドは重要であり,その合成,代謝,輸送の障害は魚鱗癬,魚鱗癬症候群の多くの病型の病因である.
●魚鱗癬,魚鱗癬症候群の病態と表現型の形成において,皮膚バリア機能障害によって惹起される炎症の役割も重要であり,その炎症の免疫プロファイルには,IL-17 signatureなど,炎症性角化症の免疫プロファイルと共通する部分がある.
●角層のバリア機能障害と炎症とのクロストークのメカニズムの詳細な解明が,近い将来,魚鱗癬の新規治療法の開発へとつながっていくことが期待される.
(「ポイント」より)
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