Japanese
English
症例報告
トシリズマブによりステロイド減量しえた重症成人Still病の1例
A severe case of adult-onset Still's disease treated with tocilizumab, in which corticosteroids were successfully tapered
清水 理惠
1
,
佐野 信也
1
,
松澤 高光
1
,
猪爪 隆史
1
,
川村 龍吉
1
,
島田 眞路
1
Takae SHIMIZU
1
,
Shinya SANO
1
,
Takamitsu MATSUZAWA
1
,
Takasi INOZUME
1
,
Tatsuyoshi KAWAMURA
1
,
Shinji SHIMADA
1
1山梨大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, University of Yamanashi, Chuo, Japan
キーワード:
成人Still病
,
トシリズマブ
,
汎血球減少
,
肝機能障害
Keyword:
成人Still病
,
トシリズマブ
,
汎血球減少
,
肝機能障害
pp.659-663
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204851
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要約 50歳,女性.B型肝炎の既往あり.発熱,関節痛,咽頭痛,サーモンピンクの蕁麻疹様紅斑が出現し,白血球増多,炎症反応高値,肝機能障害,高フェリチン血症を認め,抗核抗体陰性,リウマトイド因子陰性であったことから成人発症Still病(adult onset Still's disease:AOSD)と診断した.プレドニゾロン40mg/日とシクロスポリン(200mg/日)併用療法に反応なく,ステロイドパルス療法後にプレドニゾロン60mg/日投与としたところデータ,症状は軽快した.しかしプレドニゾロン25mg/日まで漸減したところで繰り返し高熱が出現,高度な高フェリチン血症等をきたしたため,再度ステロイドパルス療法を実施した.以後プレドニゾロンを40mg/日に漸減するまでは血漿交換療法を,それ以降の漸減過程ではトシリズマブを併用した.トシリズマブ併用後は著明な軽快傾向を示した.本症例はステロイド減量に難渋するAOSDに対するトシリズマブ併用の有効性を示唆すると考えられる.
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