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DPP-4阻害薬内服患者に生じる薬剤関連水疱性類天疱瘡
青山 裕美
1
1川崎医科大学附属川崎病院 皮膚科
キーワード:
Steroids
,
経口投与
,
類天疱瘡-水疱性
,
Vildagliptin
,
Alogliptin
,
Sitagliptin
,
Linagliptin
,
Saxagliptin
,
Collagen Type XVII
Keyword:
Sitagliptin Phosphate
,
Linagliptin
,
Administration, Oral
,
Pemphigoid, Bullous
,
Steroids
,
Collagen Type XVII
,
Saxagliptin
,
Vildagliptin
,
Alogliptin
pp.964-970
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017007209
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水疱性類天疱瘡(BP)は,高齢者に好発し,全身に瘙痒の強い紅斑と水疱を生じる自己免疫性水疱症で,表皮真皮接着構造であるヘミデスモソームの構成分子の1つである17型コラーゲン(別名BP180)やBP230に対する自己抗体によって発症する.現在本邦で,一般的に抗BP180抗体として測定されているのは,17型コラーゲンのNC16aドメインに結合する自己抗体である.まれに血清中抗BP180抗体(ELISA法,CLEIA法)陰性のBPを経験するが,蛍光抗体直接法は基底膜にIgGもしくはC3が陽性で1M食塩水剝離皮膚で表皮側に陽性になる症例はBPと診断する.このような症例では,しばしば17型コラーゲンの細胞外領域に結合する自己抗体が検出されるので,ウエスタンブロッティングで確定診断していたが,最近17型コラーゲンの細胞外ドメインに対する自己抗体を検出するELISA法が北海道大学皮膚科で開発された.最近糖尿病治療薬のジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬(グリプチン製剤)内服中に発症したBPの報告が相次いでいる.2011年にPasmatziらが第1例目を報告して以降,2015年までに国内外で20例の文献報告があり,これらの報告に触発され国内皮膚科関連学会でも報告例が急増している.(「はじめに」より)
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