特集 新規糖尿病薬は心血管イベントの抑制にどうかかわるか
治す DPP4阻害薬と循環器疾患
遅野井 雄介
1
,
綿田 裕孝
1順天堂大学 大学院医学研究科代謝内分泌内科
キーワード:
危険因子
,
Glycated Hemoglobin A
,
心臓血管疾患
,
低血糖症
,
糖尿病
,
経口投与
,
臨床試験
,
多施設共同研究
,
Alogliptin
,
Incretins
,
Dipeptidyl-Peptidase IV Inhibitors
,
Linagliptin
Keyword:
Linagliptin
,
Administration, Oral
,
Cardiovascular Diseases
,
Diabetes Mellitus
,
Clinical Trials as Topic
,
Hypoglycemia
,
Glycated Hemoglobin A
,
Risk Factors
,
Multicenter Studies as Topic
,
Incretins
,
Dipeptidyl-Peptidase IV Inhibitors
,
Alogliptin
pp.852-858
発行日 2017年8月9日
Published Date 2017/8/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017390473
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冠動脈疾患をはじめとした循環器疾患のリスク因子である糖尿病は,その成因・病態に加え,本人の生活スタイルも考慮して総合的に治療していく必要のある疾患である。糖尿病の臨床における最終的な目標は,良好な血糖コントロールをとおして細小血管障害,大血管障害の進展を阻止・抑制し,ひいては糖尿病患者の予後とQOLを向上させることである。そのような糖尿病治療において,内服薬として確固たる地位を築きつつあるジペプチジルペプチダーゼ4(dipeptidylpeptidase 4;DPP4)阻害薬は,その直接的な血糖降下作用に加えて,グルカゴン様ペプチド(glucagon-like peptide-1;GLP-1)の多面的な作用を介して心血管イベントのリスクを低下させることに多くの期待が寄せられている。一方,アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)が,新規に糖尿病治療薬を認可する際にこれらの薬剤が心血管イベントに及ぼす影響に関する報告を義務づけたことからDPP4阻害薬を用いた多くの臨床試験などが組まれ心血管イベント発症に対する安全性が示されている。本稿では,過去の大規模臨床研究も踏まえながら糖尿病治療薬の1つであるDPP4阻害薬と循環器疾患に関して述べながら,実臨床における薬剤使用に関して述べていきたい。
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