特集 自然消褪する皮膚病
臨床例
自然消褪を認めた悪性黒色腫
森 章一郎
1
,
横田 憲二
,
小川 綾
,
松本 高明
,
秋山 真志
1名古屋大学 大学院医学研究科皮膚病態学
キーワード:
黒色腫
,
腫瘍退行-自然
,
鼠径部
,
皮膚疾患-足部
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
リンパ節郭清
Keyword:
Foot Dermatoses
,
Groin
,
Immunohistochemistry
,
Lymph Node Excision
,
Melanoma
,
Neoplasm Regression, Spontaneous
,
Skin Neoplasms
pp.515-518
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016298359
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72歳男性。左鼠径部腫脹を主訴に前医を受診、針生検にて悪性黒色腫を疑われ、著者らの施設へ紹介となった。所見では、患者は初診の5年前から左踵部に36mm大の黒色斑を自覚しており、今回、初診時に行なったダーモスコピーでも左踵部には白色領域、青色領域がみられた。また、左鼠径部には3cm大の可動性不良な皮下結節が認められた。以上、これらの所見を踏まえて、生検を行なったところ、本症例は左踵部悪性黒色腫の原発巣自然消退およびリンパ節転移と診断された。以後、全身麻酔下に原発巣の拡大全摘出ほか、左鼠径部・骨盤内リンパ節郭清術が施行された。更に術後は原発巣の断端陰性を確認し、右腰部からの分層植皮術、次いで術後補助療法としてIFN-β局所注射(原発巣および左鼠径部)を追加した。その結果、術後6年経過現在、再発・転移は認めない。
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