特集 自然消褪する皮膚病
臨床例
自然消褪した小児指趾線維腫症
梶井 崇行
1
,
福地 修
,
中川 秀己
1東京慈恵会医科大学附属柏病院 皮膚科
キーワード:
ケロイド
,
手指
,
腫瘍退行-自然
,
鑑別診断
,
線維腫
,
皮膚疾患-手部
,
皮膚腫瘍
,
瘢痕-肥厚性
,
待機療法
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Fibroma
,
Fingers
,
Hand Dermatoses
,
Keloid
,
Neoplasm Regression, Spontaneous
,
Skin Neoplasms
,
Cicatrix, Hypertrophic
,
Watchful Waiting
pp.467-470
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016298347
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生後9ヵ月男児。生後4ヵ月より左第III、IV指の遠位部に紅色結節が出現、徐々に増大してきたため、著者らはの施設へ紹介となった。受診時、左第III、IVのDIP関節を含む位置に表面平滑な硬いドーム状の紅色結節が3ヵ所にみられた。病理組織学的所見では紡錘形細胞と膠原線維束が織りなすように増生していたが、紡錘形細胞に異型性はなく、その核周囲には特徴的な好酸性封入体がみられた。以上、これらの所見から、本症例は小児指趾線維腫症と診断され、経過観察を行なったところ、生後24ヵ月の時点で結節は完全に自然消退し、その後の再発はみられていない。
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