特集 鑑別に苦慮した皮膚病(2)
臨床例
舌に生じ、類上皮型血管肉腫との鑑別を要した化膿性肉芽腫との鑑別を要した化膿性肉芽腫(pyogenic granuloma)
田中 麻衣子
1
,
秀 道広
1広島大学 大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学
キーワード:
血管肉腫
,
鑑別診断
,
舌疾患
,
免疫組織化学
,
肉芽腫-化膿性
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Hemangiosarcoma
,
Immunohistochemistry
,
Tongue Diseases
,
Granuloma, Pyogenic
pp.607-610
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016271492
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<症例のポイント>化膿性肉芽腫の80%以上は皮膚に生じるが、約10%は口腔内粘膜に生じ、口腔内の血管系の腫瘤を形成する病変としてはもっとも頻度が高い。急速に増大し、病理組織学的にも血管肉腫など血管系悪性腫瘍との鑑別が困難なことがある。口腔内の化膿性肉芽腫は、病理組織学的に類上皮様細胞が出現したり、分裂像が顕著であったりするが、血管肉腫と比較して核異型が乏しい。血管内皮細胞と周皮細胞の2層性が保たれることは良性病変の指標となる。このため、CD31とSMAを染色して検討することは良悪性の鑑別に有用である。
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