臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
炎症性疾患(頭蓋内)
肉芽腫(granuloma)
pp.2103
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217454
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肉芽腫を呈するものとしては結核腫に代表される非化膿性細菌性,真菌性および寄生虫性のものがあるが,いずれもわが国においては稀で,日常の診療において遭遇することはきわめて少ない.結核腫7)は通常,肺結核からの2次的なもので副中心小葉,橋被蓋および小脳に好発し,とくに成人では大脳半球や脳幹部に,また小児では小脳に多いとされている.
CTのパターンは他の病因によるものと同様に,造影前には孤立性あるいは多発性の軽度低吸収値または等吸収値陰影を示し,造影後に結節状あるいはMicro-ringと称される小さな環状増強効果を示す.このMicro-ringは乾酪性病巣を示唆し,壁は巨大細胞を含む炎症性肉芽組織で,中心の低吸収域が乾酪巣をあらわすと言われている.
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