特集 鑑別に苦慮した皮膚病(2)
臨床例
結核性反応性関節炎
浦田 透
1
,
稲坂 優
,
河村 実穂
,
鶴見 由季
,
菅原 京子
,
伊藤 有美
,
小寺 雅也
1地域医療機能推進機構中京病院 皮膚科
キーワード:
PCR法
,
結合組織疾患
,
抗結核剤
,
結核-骨関節
,
腫瘍随伴症候群
,
鑑別診断
,
結核-粟粒
,
関節炎-反応性
Keyword:
Antitubercular Agents
,
Diagnosis, Differential
,
Connective Tissue Diseases
,
Paraneoplastic Syndromes
,
Tuberculosis, Miliary
,
Tuberculosis, Osteoarticular
,
Polymerase Chain Reaction
,
Arthritis, Reactive
pp.611-614
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016271493
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<症例のポイント>診断に苦慮した結核性反応性関節炎の1例を経験した。当初は分類不能関節炎と診断し、免疫抑制薬による治療中に粟粒結核を発症し、抗結核薬治療により関節炎が改善したため診断に至った。結核性反応性関節炎はまれな疾患であるが、本邦では結核患者が多いため関節炎の鑑別に重要であると考えた。粟粒結核は免疫能が低下した宿主に発症することが多く、診断の遅れが致命的となるため、早期発見・早期治療が肝要である。早期診断のポイントとして、抗酸菌の塗抹検査・培養検査だけではなく、組織生検が有用であることを知っておかなければならない。なかでも骨髄穿刺液凝固組織診は比較的低侵襲でありながら抗酸菌による肉芽腫の検出率が高く、自験例においても粟粒結核の診断において有用であった。
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