特集 鑑別に苦慮した皮膚病(2)
臨床例
α2アドレナリン受容体作動薬の外用が紅斑の軽減に有効であった酒さの症例
小川 あかり
1
,
高坂 卓馬
,
秀 道広
1広島大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
紅斑
,
エリテマトーデス-全身性
,
尋常性ざ瘡
,
酒さ
,
皮膚炎-脂漏性
,
鑑別診断
,
経皮投与
,
Tramazoline
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Acne Vulgaris
,
Diagnosis, Differential
,
Erythema
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Rosacea
,
Dermatitis, Seborrheic
,
Tramazoline
pp.603-606
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016271491
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<症例のポイント>酒さは、顔面のほてり、紅斑、毛細血管拡張、丘疹、膿疱などを主徴とする慢性炎症性疾患であり、臨床的に紅斑毛細血管拡張型(erythematotelangiectatic type、以下、ETT)、丘疹・膿疱型、鼻瘤型、眼型の4つの病型に分類される。このうち、ETTの治療において、従来の抗炎症治療に加え、α2アドレナリン受容体作動薬の有効性が海外で認識されつつある。自験例は臨床経過10年以上のETT症例で、ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏による加療が無効であったが、α2アドレナリン受容体作動薬(トラマゾリン塩酸塩)の外用治療を行ったところ、紅斑およびそう痒感は著明に改善した。本邦のETT症例に対しても、α2アドレナリン受容体作動薬が治療選択肢になりうると考えられた。
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