特集 鑑別に苦慮した皮膚病(1)
臨床例
臨床的に悪性リンパ腫を疑った深在性エリテマトーデス
山崎 菜央
1
,
上野 真紀子
,
片桐 一元
,
坂下 さゆり
,
小野 裕子
1獨協医科大学附属越谷病院 皮膚科
キーワード:
Prednisolone
,
鑑別診断
,
生検
,
脂肪組織炎-エリテマトーデス
,
免疫組織化学
,
リンパ腫
,
上腕
Keyword:
Arm
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Immunohistochemistry
,
Lymphoma
,
Prednisolone
,
Panniculitis, Lupus Erythematosus
pp.387-390
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016224752
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<症例のポイント>上腕と前胸部に弾性硬の淡紅色結節があり、臨床的に悪性リンパ腫を疑った。2回目の生検で脂肪組織を大きく含めて採取し、深在性エリテマトーデスと診断。プレドニゾロン内服にて陥凹を残さず治癒した。深在性エリテマトーデスの初期病変の臨床像は、紅斑96.4%、硬結70.1%、潰瘍14%、陥凹43.9%と報告され、深在性エリテマトーデスを印象づける陥凹は初診時には決して高頻度ではなく、早期診断には紅斑や硬結が初期病変であることを認識する必要がある。本症例の病変部は上腕であったため大きく切除することができたが、深在性エリテマトーデスは顔面に生じることも多く、整容的問題から診断に十分量な検体をとることがむずかしい場合がある。静脈炎や形質細胞の浸潤などの特徴的所見に加え、granzyme B、TIA-1などの細胞障害性蛋白の免疫染色も診断に有用である。
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