発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012185414
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59歳女。2年前にMikulicz病と診断され、プレドニソロン(PSL)を内服していた。今回、左背部痛で受診し、CTと右鼠径リンパ節生検より、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)を疑われ紹介となった。両側顎下部と左鼠径リンパ節の腫脹、可溶性IL-2受容体、IgG、IgG4、IgEの高値、抗SS-Aは陽性を示した。造影CTでは、鎖骨上・縦隔・腹腔内・鼠径リンパ節の腫脹を、FDG-PETでこれらリンパ節の高集積および涙腺と顎下腺の集積を認めた。右鼠径リンパ節生検で、濾胞間領域に血管増生と中~大型の異型リンパ球浸潤を認め、異型リンパ球はCD3、CD5陽性でCD4優位の単調な増殖を示したが、CD10、CD21陽性細胞は濾胞内にとどまっていた。右鎖骨上窩リンパ生検では、濾胞間の異型リンパ球はCD20陽性で、κ鎖制限を伴うCD138陽性の形質細胞が混在していたが、IgG4/IgG陽性形質細胞比60%より、IgG関連リンパ節症と診断した。PSLの増量で顎下部や鼠径部のリンパ節は速やかに縮小し、その後、PSLを漸減し、PSL増量後3ヵ月のCTで腫大リンパ節の縮小を確認し、以後、増悪は認めていない。
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