特集 腋窩の皮膚病
臨床例
左腋窩から左上腕に多発性の結節を伴う暗紫色調の局面形成を認めた乳児Kaposi様血管内皮腫
木村 景子
1
,
石黒 直子
,
鶴田 敏久
1東京女子医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
Propranolol
,
腋窩
,
電子顕微鏡検査法
,
鑑別診断
,
生検
,
経口投与
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
上腕
,
皮膚結節
,
Kaposi肉腫様血管内皮腫
Keyword:
Administration, Oral
,
Arm
,
Axilla
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Immunohistochemistry
,
Microscopy, Electron
,
Propranolol
,
Skin Neoplasms
,
Kaposiform Hemangioendothelioma
pp.481-484
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2018249805
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<症例のポイント>・乳児の左腋窩から上腕に多発性結節を伴う暗紫色調の局面を認めた乳児Kaposi様血管内皮腫を報告した。・造影CTでは筋層内にも血管に富む腫瘤が多発性に描出され、血管腫を疑った。・病理組織H-E像では真皮と皮下組織に腫瘍巣を認め、腫瘍細胞は核が紡錘形で、CD34陽性、第VIII因子陽性であり、血管内皮細胞由来と判断した。・電子顕微鏡所見では、腫瘍細胞のbasal laminaが1層で、腫瘍細胞内の微細線維の発達が悪く、Weibel-Palade顆粒が少数であることが苺状血管腫との相違点であった。・2歳5ヵ月の造影CTで腫瘍性陰影の深部への比較的急速な拡大がみられたことから、乳児Kaposi様血管内皮腫と診断した。・2歳9ヵ月からプロプラノロール2mg/kg/日の内服を開始し、2.5mg/kg/日まで増量し、計16ヵ月投与した。造影CTでは投与前の所見と比較し不変であり、拡大は止まったと判断した。
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