特集 隆起する皮膚疾患
臨床例
顔面肉芽腫
江原 瑞枝[山本]
1
,
是枝 哲
1千葉大学 大学院医学研究院皮膚科学
キーワード:
鑑別診断
,
生検
,
経皮投与
,
肉芽腫
,
皮膚疾患-顔面
,
Tacrolimus
,
サルコイドーシス-皮膚
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Facial Dermatoses
,
Granuloma
,
Tacrolimus
pp.523-526
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014259170
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<症例のポイント>自験例は、とくに基礎疾患のない壮年男性の顔面に生じた、扁平に隆起する浸潤性赤褐色斑であった。2度の皮膚病理所見ではいずれも表皮下にgrenz zoneを有し、真皮の血管周囲に好酸球、好中球、リンパ球、組織球など多彩な炎症細胞浸潤を認め、臨床像と併せて最終的に顔面肉芽腫と診断した。成書では病理組織学的に血管炎を伴うと書かれているものが多いが、最近の報告では明らかな血管炎を認めない症例も多い。自験例でも、血管周囲に核塵を認めるものの赤血球の血管外漏出やフィブリノイド変性はみられなかった。治療法は確立されていない。ステロイドの外用やタクロリムスの外用、ジアフェニルスルホン(DDS)内服、レーザー照射、液体窒素療法などが試みられている。自験例ではタクロリムス軟膏の外用により外観は改善したものの、病理組織学的には改善を認めておらず、治療に抵抗性であると思われた。
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