統計
基底細胞癌の病変内に肉芽腫を形成したサルコイドーシスの1例、および当科経験例の皮膚症状のまとめ
尾形 麻衣
1
,
野田 美貴
,
日野 治子
1公立学校共済組合関東中央病院 皮膚科
キーワード:
顔面腫瘍
,
基底細胞腫
,
鑑別診断
,
生検
,
肉芽腫-巨細胞
,
皮膚疾患-顔面
,
皮膚腫瘍
,
サルコイドーシス-皮膚
Keyword:
Carcinoma, Basal Cell
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Facial Dermatoses
,
Facial Neoplasms
,
Granuloma, Giant Cell
,
Skin Neoplasms
pp.87-92
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013150347
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74歳女。14年前に両側肺門リンパ腫脹(BHL)を指摘され、サルコイドーシスの疑いにて経過観察中であった。数年前より右鼻背に黒色結節が出現し、徐々に増大したため受診となった。右鼻背の結節に加え、前額・頬部にそう痒を伴う小指頭大で浸潤を触れる淡紅色斑が多発し、右上腕・前腕伸側にも多数の紅褐色斑が認められた。前額の紅斑を生検し、右鼻背の結節を全摘した。表皮直下から真皮上層に帯状の胞巣があり、拡大すると乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫がみられた。前額の紅斑は乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫より局面型皮膚サルコイドと診断され、BHLの定期的観察中、また虹彩炎、過去に血清ACE上昇などから、サルコイドーシスと確定診断した。鼻背の結節は基底細胞癌と診断され、腫瘍内の間質に見られた肉芽腫はサルコイドーシスと診断された。鼻背結節は全摘し、前額の紅斑は無治療で軽快した。BHLは不変で、2年後に膵癌を合併し、現在は化学療法中である。
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