特集 皮膚真菌症(7)
臨床例
ネコから感染したArthroderma vanbreuseghemiiによる白癬
佐藤 友隆
1
1国立病院機構東京医療センター 皮膚科
キーワード:
人畜共通感染症
,
ネコ
,
白癬
,
皮膚疾患-顔面
,
愛玩動物
,
Arthroderma vanbreuseghemii
,
Trichophyton mentagrophytes
Keyword:
Cats
,
Facial Dermatoses
,
Tinea
,
Zoonoses
,
Pets
pp.1025-1028
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014102877
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<症例のポイント>好獣性菌のTrichophyton mentagrophytes complexによる白癬の報告は近年増加しているが感染源を特定することはむずかしい。今回、ネコの診察と猫の毛の培養を施行して、飼い猫の脱毛部から直接接触感染によることが証明できた1例を報告する。好獣性菌による白癬は炎症症状が強い。顔面が好発部位であり、臨床から白癬を疑いKOH直接鏡検を施行し、病歴から動物由来菌を疑った場合には培養検査を施行することが、湿疹や毛包虫症、好酸球性膿疱性毛包炎などとの鑑別に必須である。原因菌が培養できれば、交配試験を行うことが理想であるが、交配能力を失っていることも多く、分子生物学的な同定が有用である。
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