特集 真菌症
動物からの感染が考えられた体部白癬の4例
伊藤 満
1
,
水谷 陽子
,
中山 麻美
,
米玉利 準
,
太田 浩敏
,
清島 真理子
1岐阜大学 皮膚科
キーワード:
真菌DNA
,
PCR法
,
イヌ
,
人畜共通感染症
,
多剤併用療法
,
白癬
,
Terbinafine
,
真菌培養
,
愛玩動物
,
テグーネズミ属
,
Luliconazole
,
Arthroderma benhamiae
,
Microsporum canis
,
Trichophyton mentagrophytes
Keyword:
Drug Therapy, Combination
,
DNA, Fungal
,
Dogs
,
Tinea
,
Zoonoses
,
Polymerase Chain Reaction
,
Octodon
,
Pets
,
Terbinafine
,
4-(2,4-dichlorophenyl)-1,3-dithiolan-2-ylidene-1-imidazolylacetonitrile
pp.649-654
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016318337
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症例1は動物病院に勤務している25歳女性で、右前腕の痒みを伴う環状紅斑を主訴とした。症例2はイヌを飼育している32歳女性で、右頬と左側腹部の痒みを伴う環状紅斑を主訴とした。症例3はデグーを飼育している16歳男性で、体幹・四肢の痒みを伴う環状紅斑を主訴とした。症例4はデグーを飼育している40歳女性で、左前胸部の痒みを伴う環状紅斑を主訴とした。症例1、2はKOH直接鏡検で真菌菌糸を検出し、真菌培養スライドカルチャーでMicrosporum canisを同定し、PCR法で有性世代であるArthroderma otaeと合致した。症例3、4はKOH直接鏡検、真菌培養スライドカルチャーでTrichophyton mentagrophytesを同定し、PCR法で有性世代のArthroderma benhamiaeと合致した。4例とも動物から感染した体部白癬と診断し、ルリコナゾールクリームを外用した。症例3はテルビナフィン塩酸塩125mg/日の内服を併用し、4例とも1ヵ月以内に治癒した。
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