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特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006
1. 最近話題の皮膚疾患
Arthroderma benhamiaeによる白癬
Arthroderma benhamiae infection in Japan
望月 隆
1
,
河崎 昌子
1
,
安澤 数史
2
Takashi MOCHIZUKI
1
,
Masako KAWASAKI
1
,
Kazushi ANZAWA
2
1金沢医科大学環境皮膚科学部門
2金沢医科大学総合医学研究所皮膚真菌学研究部門(ノバルティス ファーマ)
1Department of Dermatology,
Kanazawa Medical University
2Division of Dermatomycology,Medical Research Institute,Kanazawa Medical University (Novartis Pharma)
キーワード:
Arthroderma benhamiae
,
Trichophyton mentagrophytes
,
交配試験
,
白癬
,
ペット
Keyword:
Arthroderma benhamiae
,
Trichophyton mentagrophytes
,
交配試験
,
白癬
,
ペット
pp.8-12
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100583
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要約 Trichophyton (T.) mentagrophytesはT. rubrumに次いで高頻度に分離されるありふれた皮膚糸状菌(以下白癬菌)であるが,最近までこの菌の有性世代の1つであるArthroderma (A.) benhamiaeは本邦には分布しないとされていた.しかし,1996年以降,本菌の分離例が相次いで報告されている.本菌は多くは女性,若年者の体部白癬から分離され,そのほとんどにペット(ウサギ,モルモットなど)が関与していたと考えられる.また,家族内発生例も少なくない.皮疹は顔面,手などの露出部に単発あるいは少数個出現するが,一般に炎症所見が強く,中心治癒傾向が明確でなく,貨幣状湿疹と誤診されやすい.幼小児の頭部ではケルスス禿瘡になる例が知られている.治療は他の白癬菌による白癬に準じて行うが,治療中に白癬疹を合併して一過性に増悪する例がある.
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