特集 真菌症
ネコからの感染が考えられたTrichophyton mentagrophytesによる小児体部白癬の3例
加倉井 真樹
1
,
出光 俊郎
,
梅本 尚可
,
安澤 数史
,
望月 隆
1加倉井皮膚科クリニック
キーワード:
真菌DNA
,
PCR法
,
人畜共通感染症
,
多剤併用療法
,
臀部
,
ネコ
,
白癬
,
皮膚疾患-顔面
,
Terbinafine
,
真菌培養
,
愛玩動物
,
Luliconazole
,
Arthroderma vanbreuseghemii
,
Trichophyton mentagrophytes
Keyword:
Cats
,
Buttocks
,
Drug Therapy, Combination
,
DNA, Fungal
,
Facial Dermatoses
,
Tinea
,
Zoonoses
,
Polymerase Chain Reaction
,
Pets
,
Terbinafine
,
4-(2,4-dichlorophenyl)-1,3-dithiolan-2-ylidene-1-imidazolylacetonitrile
pp.655-660
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016318338
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症例1は12歳女児で、左頬の紅斑を主訴とした。症例2は9歳女児で、鼻背部から右上眼瞼の環状紅斑を主訴とした。症例3は8歳男児で、臀部の紅斑を主訴とした。3例ともネコを飼育していた。3例とも鱗屑のKOH直接鏡検で菌糸を認め、真菌培養で白色顆粒状の菌が分離された。スライド培養所見でラセン器官、小球状の小分生子を認め、Trichophyton mentagrophytesと同定した。リボゾーム遺伝子のITS領域の制限酵素分析(PCR-RFLP)の結果、既知のArthroderma vanbreuseghemiiと合致する泳動パターンが得られた。3例ともネコから感染した体部白癬と診断し、症例1はテルビナフィン塩酸塩125mg/日の2週間内服とルリコナゾールクリームの外用を行い、1ヵ月後に軽快した。症例2はテルビナフィン塩酸塩125mg/日の2週間内服とルリコナゾールクリームの4週間外用で軽快した。症例3はルリコナゾールクリームの1ヵ月外用で軽快した。
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