特集 薬疹-2013
臨床例
カルバマゼピンによるdrug induced hypersensitivity syndromeの黒人例
倉繁 祐太
1
,
岸田 功典
,
坪井 良治
,
三橋 善比古
1東京医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
Carbamazepine
,
Prednisolone
,
鑑別診断
,
てんかん
,
経口投与
,
アフリカ大陸系統人種
,
薬剤性過敏症症候群
,
薬剤リンパ球刺激試験
Keyword:
Administration, Oral
,
Carbamazepine
,
Diagnosis, Differential
,
Epilepsy
,
Prednisolone
,
African Continental Ancestry Group
,
Drug Hypersensitivity Syndrome
pp.1157-1160
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014067178
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<症例のポイント>45歳、黒人男性のカルバマゼピンによるdrug induced hypersensitivity syndrome(DIHS)を経験した。DIHSは、比較的限られた薬剤により発症する重症薬疹で、カルバマゼピンはその原因薬剤の1つとして知られている。重症薬疹の発症にはhuman leukocyte antigen(HLA)が関与することや、原因薬剤や人種などの違いにより関連するHLAが異なることが報告されている。黒人はDIHSの発症頻度が高いことが知られているが、本邦においてはこれまで、黒人のDIHSは報告されていない。自験例は黒人特有の色素沈着のため紅斑が目立たず、皮疹の分布や性状の評価が困難であった。黒人は色素沈着の影響により、さまざまな皮膚疾患において紅斑の所見が目立ちにくく、黒人の紅斑を正しく評価するためには十分な観察が必要である。
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