特集 薬疹・薬物障害
薬剤性過敏症症候群2例におけるTARC/CCL17値の検討
伊藤 満
1
,
安達 由祐子
,
周 円
,
加納 宏行
,
清島 真理子
1岐阜大学 皮膚科学教室
キーワード:
生物学的マーカー
,
Methylprednisolone
,
Mexiletine
,
Prednisolone
,
経口投与
,
パルス療法(薬物療法)
,
Lamotrigine
,
Chemokine CCL17
,
薬剤性過敏症症候群
,
薬剤リンパ球刺激試験
Keyword:
Administration, Oral
,
Mexiletine
,
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
Biomarkers
,
Pulse Therapy, Drug
,
Chemokine CCL17
,
Drug Hypersensitivity Syndrome
,
Lamotrigine
pp.321-326
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016208965
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症例1は63歳女性で、メキシレチン塩酸塩投与開始30日目に前胸部の紅斑が出現し、徐々に拡大し、発熱、リンパ節腫脹もみられたため、第19病日に当科紹介となった。症例2は26歳女性で、ラモトリギン投与開始40日目に全身の紅斑、発熱、リンパ節腫脹が出現し、第6病日に当科受診となった。臨床経過および検査所見より、いずれの症例も薬剤性過敏症症候群(DIHS)と診断した。投与中の薬剤を中止のうえ、ステロイド投与を行ったところ、皮疹は消退した。2例を検討すると、初診時のIgGは1例で低下、1例で正常値を示した。TARC値は初診時には2例とも増加し、治療開始1~2ヵ月後には正常値となった。当科で経験したDIHSの12例を検討すると、TARC値は9例で初診時に有意な増加を認めたことから、TARC値の増加はDIHSの早期診断マーカーとなりうる可能性が示唆された。
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