特集 外来診療・診断のピットフォール
各論:代表的な疾患のピットフォール 消化器系・腹部疾患
乳児コリック(黄昏泣き)だと思ったら鼠径ヘルニア嵌頓
東 良紘
1
AZUMA Yoshihiro
1
1山口大学大学院医学系研究科医学専攻小児科学講座
pp.471-473
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002342
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
3か月,男児
現病歴:生後1か月頃から,夕方から夜にかけて,激しく泣くようになった。あやしても泣き止まないことも多かったが,日中は夜間に経験するほどの啼泣はなかった。同じ頃に涕泣時に右鼠径部が膨隆していることに両親が気づいた。近医を受診し,鼠径ヘルニアと診断され,総合病院小児外科に紹介された。自然閉鎖の可能性や生後1か月での全身麻酔のリスクを考慮し,外来での定期的な経過観察を継続し手術時期を決定する方針とした。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.