特集 小児鼠径ヘルニアupdate
術中合併症と対策:鼠径部切開法手術
吉丸 耕一朗
1
,
高橋 良彰
1
,
鳥井ケ原 幸博
1
,
前田 翔平
1
,
増田 吉朗
1
,
日野 祐子
1
,
馬庭 淳之介
1
,
福田 篤久
1
,
川久保 尚徳
1
,
永田 公二
1
,
宮田 潤子
1
,
松浦 俊治
1
,
田尻 達郎
1
Koichiro Yoshimaru
1
,
Yoshiaki Takahashi
1
,
Yukihiro Toriigahara
1
,
Shohei Maeda
1
,
Yoshiro Masuda
1
,
Yuko Hino
1
,
Junnosuke Maniwa
1
,
Atsuhisa Fukuta
1
,
Naonori Kawakubo
1
,
Kouji Nagata
1
,
Junko Miyata
1
,
Toshiharu Matsuura
1
,
Tatsuro Tajiri
1
1九州大学病院小児外科・成育外科・小腸移植外科
pp.33-36
発行日 2026年1月25日
Published Date 2026/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001428
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はじめに
小児鼠径ヘルニアの手術術式は,鼠径部切開法(Open法)と腹腔鏡手術に大別され,後者においては,わが国では特に腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure:LPEC)がその安定した成績から1~4),広く行われている5)。実際に2023年のNational Clinical Databaseからの報告では,laparoscopic inguinal hernia surgeryが8,599件,Open inguinal hernia repairは5,240件施行されているとの統計結果が得られている2)。一方で,小児鼠径ヘルニアに対する鼠径部切開法は,Potts法がポピュラーに行われており6),長年にわたり標準術式として位置づけられ,その安全性と再現性は広く認識されている。2024年に第2版が刊行された『鼠径部ヘルニアガイドライン2024』では,LPEC法とPotts法のどちらが初発の小児鼠径ヘルニア手術治療で推奨されるかのClinical Questionに対する回答は,「現時点では優劣をつけることはできない」としている7)。このため,LPECを中心とした腹腔鏡手術が主流とされる現在においても,小児外科医はOpen法にも精通し,術中合併症に対しても常にその準備,対応が求められる。

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