特集 Hirschsprung病類縁疾患―診断・治療最前線―
Intestinal neuronal dysplasia(IND) 治療
永田 公二
1
,
近藤 琢也
1
,
福田 篤久
1
,
谷口 直之
1
,
川久保 尚徳
1
,
吉丸 耕一朗
1
,
宮田 潤子
1
,
松浦 俊治
1
,
田口 智章
1
,
田尻 達郎
1
Kouji Nagata
1
,
Takuya Kondo
1
,
Atsuhisa Fukuta
1
,
Naoyuki Taniguchi
1
,
Naonori Kawakubo
1
,
Koichiro Yoshimaru
1
,
Junko Miyata
1
,
Toshiharu Matsuura
1
,
Tomoaki Taguchi
1
,
Tatsuro Tajiri
1
1九州大学大学院医学研究院小児外科学分野
pp.1285-1289
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001039
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はじめに
腸管神経形成異常症(Intestinal neuronal dysplasia: IND)は,1971年にMeier-Rugeらによって提唱された疾患概念である1)。わが国の『ヒルシュスプルング病類縁疾患診療ガイドライン』に明記された7つの疾患のなかでも腸管神経節細胞に異常を認める3つの疾患のうちの一つである2)。INDには,type Aとtype Bがあり,type Aはアドレナリン作動性腸管神経系の低形成または形成不全であるが5%未満しかないため非常にまれである2~4)。IND type Bは全体の95%以上を占め,病理学的には腸管副交感神経系の形成異常であるが,診断については他項で報告されるため,本稿では割愛する。臨床的には新生児期から幼児期にかけて発症することが多く,Hirschsprung病(H病)と類似した下部消化管の通過障害をきたすものの,注腸造影の所見ではS状結腸や直腸の拡張以外には特徴的な所見はない3,4)。本稿では多くを占めるIND type BをINDと称して論じる。
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