特集 医療安全と事故・紛争対応への実際
事故対応
診療関連死の警察への届出
小島 崇宏
1
Takahiro Kojima
1
1大阪A & M法律事務所
pp.1061-1064
発行日 2025年10月25日
Published Date 2025/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001341
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はじめに
診療関連死の警察への届出は,医師法21条の異状死体の届出義務との関連で,特に1999年の都立広尾病院事件以降,注目されることになり,その後,医療機関から警察への届出件数が急増した。この間,さまざまな議論がなされ,一定の結論が出たところではあるが,いまだに,医療者への周知がされていないところもあり,ここ数年も,医療機関から50件程度の届出が警察になされている(図1)。本稿では,医師法21条に関する争点を,歴史的な背景も踏まえて解説し,医療者が,医師法21条を正しく理解したうえで,診療関連死の警察への届出を適切に行える一助となることを目的とする。

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