特集 小児外科疾患のQOL;最近の話題
排便機能障害児に対するアナルイリゲーションシステムの効果
瓜田 泰久
1
,
増本 幸二
1
Yasuhisa Urita
1
,
Kouji Masumoto
1
1筑波大学医学医療系小児外科
pp.531-535
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001197
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
二分脊椎症患者(以下,本症)では,排尿障害の合併が多く適切な管理を行わなければ尿路感染症,さらに腎機能障害をきたし生命に関わる問題となるため1),間欠的導尿(CIC)を行うなど工夫がされている。排便においても,神経因性大腸機能障害とよばれる排便機能障害により,その管理に苦慮する症例も少なくなく,排便コントロール不良例では,患児のみならずその管理をする保護者のQOL低下も招く。本症における排便管理は生涯継続する必要があるため2),小児期に洗腸療法を開始した症例では,将来の排便自己管理に向けて洗腸手技の自立ができれば,さらなるQOLの向上が図れる。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.