Japanese
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講座 評価法(7)
排尿,排便機能の評価
Evaluation of Vesicorectal Function.
吉村 理
1
,
岩坪 暎二
2
Osamu Yoshimura
1
,
Eiji Iwatsubo
2
1九州労災病院リハビリテーション診療科
2総合せき損センター泌尿器科
1Division of Rehabilitation Medicine, Kyushu Rosai Hospital.
2Division of Urology, Iizuka Spinal Injuries Center.
キーワード:
排尿
,
排便
Keyword:
排尿
,
排便
pp.527-534
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106090
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はじめに
排尿と排便の脊髄中枢はともに仙髄(S2~4)に存在し,排尿機能と排便機能の異常は同時に存在する.末梢神経からみても膀胱の支配神経である骨盤神経,下腹神経,陰部神経は同時に遠位結腸の支配神経でもある.下部尿路(膀胱,尿道)の障害は上部尿路障害につながり,ただちに生命の予後に影響するのに比べると,排便異常のコントロールは単純で,また排便機能に関する知見も乏しい.したがって本稿では主としてリハビリテーションに重要な神経障害による排尿異常すなわち神経因性膀胱の評価について述べる.尿路機能の検査としては,形態的なX線写真,特に動画として腎盂,尿管,尿道の動きをとらえるX線映画撮影法があり,これはこれで有用であろうが,尿という水に近い物質を排泄するメカニズムを平滑筋の運動による内圧の変化としてとらえる水力学的検査法がより的確に尿路機能を示すと考えられる.
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