特集 小児外科疾患のQOL;最近の話題
重症心身障害児に対する喉頭気管分離術のQOL向上に対する効果
小坂 太一郎
1
,
曽山 明彦
1
,
江口 晋
1
Taiichiro Kosaka
1
,
Akihiko Soyama
1
,
Susumu Eguchi
1
1長崎大学大学院医歯薬総合研究科移植・消化器外科
pp.476-481
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001185
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Ⅰ.重症心身障害児と合併症
重症心身障害は,重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態のことであり,これは医学的診断名ではなく,児童福祉法上の定義である1)。重症心身障害の状態にある子どものことを,重症心身障害児(以下,重心児)とよび,医療的ケア実施の有無を問わない。重心児は,全国で23,000名ほどと推測されている。一方,医療的ケア児とは,人工呼吸器や胃瘻などを使用し,痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のことである。重心児は,複数の疾患,機能障害を有することが多く,医療的ケアを要することがほとんどである。

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