特集 腸管不全症;基礎研究・臨床のトピックス
魚油由来脂肪乳剤を投与した短腸症候群小児に対するリピドミクス解析
森井 真也子
1
,
中西 広樹
2
,
大戸 貴代
2
,
上野 紀子
3
,
渡部 亮
1
,
東 紗弥
1
,
山形 健基
1
,
林 海斗
1
,
水野 大
1
Mayako Morii
1
,
Hiroki Nakanishi
2
,
Takayo Ohto
2
,
Noriko Ueno
3
,
Ryo Watanabe
1
,
Saya Azuma
1
,
Kenki Yamagata
1
,
Kaito Hayashi
1
,
Masaru Mizuno
1
1秋田大学大学院小児外科学講座
2株式会社リピドームラボ
3順天堂大学薬学部創薬科学領域薬品分析化学分野
pp.1038-1043
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000974
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
脂質分子(リピドーム)とは,生体のエネルギー源であると同時に,生体膜(細胞膜や細胞内小器官の膜構造)の主要な成分であり,細胞内外で局所の生理活性物質やその前駆体として機能する生命を維持するうえで欠くことのできない主要な構成要素である。生物がもつ脂質の数は十万種とも百万種ともいわれ,明確な数・機能はいまだ明らかにされていない。リピドミクスは生命活動によって生じる特異的なリピドームの変動を網羅的に解析する手法であり,この解析によって得られる膨大な量の情報を理解することは,さまざまな生命現象を解き明かし,病態生理学に新たな知見をもたらすと考えられる1)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.