特集 門脈血行異常に対する治療up to date
特発性門脈圧亢進症の病態と移行期医療
塩畑 健
1
,
田金 星都
1
,
千田 悠太郎
1
,
石川 健
1
Takeshi Shiohata
1
,
Seiya Tagane
1
,
Yutaro Chida
1
,
Ken Ishikawa
1
1岩手医科大学小児科学講座
pp.430-435
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000806
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はじめに
特発性門脈圧亢進症とは,肝内末梢門脈枝の閉塞や狭窄による門脈圧亢進を示す症候群をいい,原因となる肝硬変,肝外門脈・肝静脈閉塞,血液疾患,寄生虫症,肉芽腫性肝疾患,先天性肝線維症などを証明しえない疾患をいう。通常,肝硬変に至ることはなく,肝がんの発生母地にはならない1~3)。食道胃静脈瘤,異所性静脈瘤,門脈圧亢進症性胃腸症,腹水,肝性脳症,脾腫,出血傾向,貧血,肝機能障害,門脈血栓などの症候が重症度に応じ出現する。
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