特集 門脈血行異常に対する治療up to date
Budd-Chiari症候群
赤星 朋比古
1
Tomohiko Akahoshi
1
1九州大学大学院救急医学講座
pp.425-428
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000805
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はじめに
Budd-Chiari症候群(BCS)は,肝硬変症を伴う門脈圧亢進症とは異なり,門脈血行の異常から食道静脈瘤や腹水などの門脈圧亢進症症状をきたす疾患である。病因としていまだ明らかなものは特定されていないが,付随する門脈圧亢進症に対するコントロールが可能であれば長期予後が期待される。厚生労働省の難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究では「門脈血行異常症ガイドライン」を作成し,指針を示している。特に急性の経過をたどるものは予後が不良であり,専門家のいる施設に速やかに紹介し,肝移植を含めた治療方針を決定することが必要である。
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