特集 喉頭・気管病変 治療の工夫と予後
喉頭軟弱症の外科治療と長期予後
山本 修子
1
Nobuko Yamamoto
1
1国立成育医療研究センター小児外科系専門診療部耳鼻咽喉科
pp.1021-1025
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000593
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はじめに
喉頭軟弱症(laryngomalacia)は,脆弱な声門上部構造が吸気時に喉頭腔内に陥入し,喘鳴や呼吸困難を生じる病態である1)。先天性の喉頭異常の原因として最多で,乳児期の喘鳴の50~75%は本疾患が原因とされている2~4)。典型的には,生後数週間で吸気性喘鳴が出現し,生後6か月ごろをピークに症状は悪化する。喘鳴は,興奮,啼泣,哺乳,仰臥位で悪化しやすい。多くは喉頭の成熟とともに徐々に症状が軽快し,生後18~24か月ごろには症状が消失する4,5)。しかし,約10~20%に呼吸障害や哺乳障害が重篤な例が存在し,このような重症例には外科的介入が必要となる4,6,7)。
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