Japanese
English
研究と報告
登校拒否症の長期予後
A Long-Term Follow-Up of School Phobic Children and Adolescents
福間 悦夫
1
,
井上 寛
1
,
沢 真教
2
,
波根 督明
2
,
栂 矗
2
Etsuo Fukuma
1
,
Hiroshi Inoue
1
,
Shinkyo Sawa
2
,
Tadaaki Hane
2
,
Noboru Toga
2
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
2島根県中央児童相談所
1Department of Psychiatry and Neurology, Tottori University School of Medicine
2Shimane Central Child Guidance Clinic
キーワード:
School phobia
,
Follow-up study
,
Long-term prognosis
Keyword:
School phobia
,
Follow-up study
,
Long-term prognosis
pp.401-408
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203086
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抄録 登校拒否症と診断された小,中,高校生108名を対象に,社会的予後を追跡調査した。調査は,保護者へのアンケート郵送や電話などにより行ない,92名についての情報を得た。把握率は85%,経過観察期間は7年8月から18年8月(平均11年6月)であった。1)結局登校しないままに終っていたのは92名中6名(7%)に過ぎず,大半のものが何とか学校を終えていた。2)高校進学率は53%で地区の平均より低く,進学後中退したものも多かったが,高校卒業者の大学・短大等への進学率は49%で,地区の平均を上まわっていた。3)学校を終えたのちほとんどのものが就業していたが,全体に工員や調理師,運転手など現業労働者の占める率が高かった。4)現在の社会適応は,59名(64%)が良好な状態にあり,18名(20%)がいくらかの問題,10名(11%)が著明な問題をもち,5名(5%)が精神分裂病に罹患していた。5)予後に関係する因子についても触れた。
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