特集 喉頭・気管病変 治療の工夫と予後
喉頭軟弱症の治療アルゴリズム
紫野 正人
1
Masato Shino
1
1前橋赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.1016-1020
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000592
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はじめに
小児の吸気性喘鳴で最も頻度が高い疾患は喉頭軟弱症であり,重症な喘鳴の約40%を占めるとされる1,2)。喉頭蓋や余剰披裂粘膜が喉頭内に陥入して生じる本疾患をHolinger3)は “laryngomalacia” と称した。本疾患は喉頭軟化症と呼ばれることもあるが,耳鼻咽喉科学用語解説集4)によれば,そのような表記はないため本稿では「喉頭軟弱症」で統一する。本症はしばしば遭遇する疾患とはいえ,なかには重症例があり,新生児~乳児のみえにくい喉頭所見を正確に評価することが病態把握に重要である。
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