研究
喀痰細菌の定量培養
後藤 庄助
1
,
茂田 士郎
1
1東北大病院中検
pp.704-707
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907255
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喀痰の一般細菌検査に関しては2つの重要な問題点がある,第1に喀痰を採取する際の口腔内常在細菌の混入をいかにして防ぐか,第2に喀痰の粘性をいかにして均等化し分離培養にもっていくかということである.
第1の問題点を解決するために最も必要なことは,喀痰中の細菌の正確な定量法が確立されなければならないということである.すなわち喀痰に付着した細菌の正確な定量がなされなければ,喀痰汚染の防止および汚染細菌の除去についての評価は全くできない.また,喀痰の粘性をとり除いて,細菌を単離の集落として分離することは,分離菌の定性のみならず正確な定量を行なううえの必須条件である.われわれは喀痰培養に際して従来の1エーゼ塗沫法に替えて,検体に1%Pancreatinを等量加えたあと均等化し,稀釈培養してコロニー数を数える定量法を確立し,その方法を基本として喀痰付着細菌の除去法の検討を行なった.
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