CHARGE症候群に対する人工内耳手術症例

はじめに

　CHARGE症候群は，coloboma（網膜・脈絡膜，視神経乳頭，虹彩などの眼組織の部分欠損），heart defect（先天性心疾患），choanal atresia（後鼻孔閉鎖），retardation（発達遅滞），genital and urinary abnormalities（外性器や尿路系の異常），ear abnormalities（耳の形態異常，聴力障害）の頭文字から命名された，多発奇形を合併する症候群である。原因遺伝子としてCHD7遺伝子が同定されており^1），90％以上の症例で同遺伝子のバリアントが検出されるが，そのほとんどはde novoのバリアントとされている^2）。