症例
新たな終止コドン変異をもつCHARGE症候群の症例における高乳酸血症
鈴木 清高
1
1国立病院機構豊橋医療センター小児科
キーワード:
CHARGE症候群
,
終止コドン変異
,
クロモドメインヘリカーゼDNA結合蛋白
,
高乳酸血症
,
Warburg効果
Keyword:
CHARGE症候群
,
終止コドン変異
,
クロモドメインヘリカーゼDNA結合蛋白
,
高乳酸血症
,
Warburg効果
pp.97-102
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002047
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クロモドメインヘリカーゼDNA結合蛋白(chromodomain helicase DNA binding protein:CHD,クロモはchromatin organization modifierの略)は9種類存在し,構造や配列の違いにより3つのサブファミリーに分類される.CHDは各遺伝子のクロマチンでの再構成にかかわり,翻訳が行われる際の活性や抑制において重要な役割を果たしている1)2).そのうち8番染色体8q12に存在するCHD7はCHARGE症候群の原因遺伝子であり,遺伝子サイズは188kbで38のエクソンをもち,2,997のアミノ酸をコードし,核質や核小体を含む生体内のありとあらゆる場所に発現がみられる1)2).今回,出生時の小眼球・眼瞼嚢胞,耳介変形・内耳異常・難聴,上気道狭窄,胃食道逆流,両大血管右室起始,右唇顎口蓋裂,小陰茎などの所見よりCHARGE症候群と臨床診断された症例において,6歳時に実施した遺伝子検査でCHD7に新たな終止コドン変異が認められたことに加えて,繰り返し施行した採血で高乳酸血症がみられた背景について考察を行ったので報告する.
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