特集 共有したい術式および手術経験:手術のポイントや工夫
腹腔内囊胞性腫瘤に対する手術の工夫―覆布接着による内容液漏出の予防―
上松 由昌
1
,
田中 潔
1
,
高安 肇
1
,
渡部 靖郎
1
,
小川 祥子
1
Yoshimasa Uematsu
1
,
Kiyoshi Tanaka
1
,
Hajime Takayasu
1
,
Yasuo Watanabe
1
,
Shoko Ogawa
1
1北里大学病院小児外科
pp.328-332
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000396
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はじめに
小児卵巣腫瘍では,胚細胞性腫瘍が58~70%を占めるとされ,その多くは成熟奇形腫である1)。成熟奇形腫はしばしば巨大な腫瘍として腹腔内を占拠することがあり,内容液を吸引して縮小させることで,より小さな創での手術が可能となる。一方で,良性腫瘍を疑って手術を行った場合でも術後の病理学的診断で悪性腫瘍となる可能性があり,内容液を確実に腹腔内に漏出させない配慮が必要である。
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