増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅳ章 術後合併症とその管理
B 系統別術後合併症の管理ポイント
感染系
腹腔内膿瘍
土屋 剛史
1
,
大野 航平
1
,
岡田 有加
1
,
八木 貴博
1
,
福島 慶久
1
,
島田 竜
1
,
小澤 毅士
1
,
端山 軍
1
,
野澤 慶次郎
1
,
松田 圭二
1
,
橋口 陽二郎
1
Takeshi TSUCHIYA
1
1帝京大学医学部附属病院外科
pp.306-307
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212727
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腹腔内膿瘍は,その成因から,消化管穿孔や虫垂炎など腹膜炎の緊急手術に続発するもの(続発性)と,待機手術の術後に起きるもの(術後性),特に縫合不全などに起因するものに,大きく分けることができる.
膿瘍が形成される部位は,主に原因となる臓器の隣接部である.それ以外では,腹腔内の低い位置に貯留する.すなわち,左右の横隔膜下や傍結腸溝,Morrison窩,Douglas窩に膿瘍形成が起こりやすい.稀に,腸間膜の間に形成されることもある.つまり,手術の際にドレーンを留置する部位と概ね一致するため,膿瘍形成の予防には,適切な部位に,跳ねないドレーンを留置することが非常に重要である.
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