特集 「低侵襲治療」小児への適応と可能性
先天性胆道拡張症術後の長期合併症に対するダブルバルーン内視鏡を用いた診断・治療
鮫島 由友
1
,
尾藤 祐子
1
,
岩渕 瀬怜奈
1
,
亀岡 泰幸
1
,
吉村 翔平
1
,
渡部 彩
1
,
植村 光太郎
1
,
冨岡 雄一郎
1
,
中井 優美子
1
,
大片 祐一
1
,
小林 隆
2
Yoshitomo Samejima
1
,
Yuko Bitoh
1
,
Serena Iwabuchi
1
,
Yasuyuki Kameoka
1
,
Shohei Yoshimura
1
,
Aya Watanabe
1
,
Kotaro Uemura
1
,
Yuichiro Tomioka
1
,
Yumiko Nakai
1
,
Yuichi Ookata
1
,
Takashi Kobayashi
2
1神戸大学大学院医学研究科外科学講座小児外科学分野
2神戸大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野
pp.797-801
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000211
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はじめに
先天性胆道拡張症(congenital biliary dilatation:CBD)術後の吻合部狭窄や肝内結石症は最も一般的な中長期合併症で,その発症率は2.7~11%程度とされる1~3)。吻合部狭窄や肝内結石症に対して以前は経皮経肝胆道鏡(percutaneous transhepatic cholangioscopy:PTCS)や肝切除が行われていたが,長期入院を要することや侵襲が大きいという難点があった。2001年にYamamotoら4)が報告したダブルバルーン内視鏡(double-balloon enteroscopy:DBE)の普及により,小腸深部への内視鏡アプローチが可能となり,その技術を応用して小児肝移植後のRoux-en-Y型胆管空腸吻合術に対するDBE下逆行性胆管造影法が2005年にHarutaら5)により初めて報告された。これによりRoux-en-Y法再建後の胆管空腸吻合部に対しても内視鏡的アプローチが可能となり,CBD術後の吻合部狭窄評価や拡張術,結石除去などに応用されるようになってきている。当院では2017年より小児内視鏡センターを開設し,消化器内科,小児科と連携を取りながら内視鏡検査を行っている。
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