特集 短腸症候群の診療における問題点
第118回東京小児外科研究会より
短腸症候群と腸管リハビリテーション
安藤 亮
1
,
工藤 博典
1
,
和田 基
1
Ryo Ando
1
,
Hironori Kudo
1
,
Motoshi Wada
1
1東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座小児外科学分野
pp.322-325
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000083
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はじめに
腸管不全(intestinal failure:IF)とは腸管機能の低下により生命の維持や成長に最低限必要な栄養,水分,電解質を腸管から吸収できず,経静脈的な補給を要する病態と定義される1)。小児のIFのうち欧米では約80%が短腸症候群(short bowel syndrome:SBS)で,腸管運動機能障害(intestinal motility disorders:MD)や難治性下痢などの腸管吸収機能障害による機能的腸管不全の割合は約20%と低いが2),日本や東アジアではHirschsprung病類縁疾患などのMDの割合が欧米に比し高いことが知られている3)。また小児期に発症するIFは,先天性あるいは新生児期に発症するものが多いことも知られている4)。
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