特集 短腸症候群の診療における問題点
第118回東京小児外科研究会より
短腸症候群と腸管延長術
増本 幸二
1
Kouji Masumoto
1
1筑波大学医学医療系小児外科
pp.311-317
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000081
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はじめに
近年,短腸症候群を含む腸管不全に対する新たな治療戦略として腸管リハビリテーションが提唱され,外科治療はそのなかの一つの選択肢となっている。その外科治療には,残存小腸が短い場合の腸管延長術,残存腸管の拡張が強く腸管内容の停滞時間が長い場合に用いられる拡張腸管のtaperingや縫縮術,腸管内容の停滞時間が短い場合の人工腸弁作製や逆蠕動腸管間置術などの方法が採用されている1,2)。このなかで腸管順応(adaptation)が最も期待されるのは腸管延長術であり,広く施行されるようになってきている3)。特に小児短腸症候群に対する外科治療として有用性が多く発表されている3~6)。
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