特集 小児科医が知っておきたい産科の基礎知識
各論 基本的疾患
【コラム】妊娠中に摂取すべき栄養素
三戸 麻子
1,2
MITO Asako
1,2
1国立成育医療研究センター女性の健康総合センタープレコンセプションケアセンター
2国立成育医療研究センター女性総合診療センター女性内科
pp.787-788
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002446
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はじめに
食事は生きるための基本である。健康的に生きるために,エネルギーとエネルギーを産生する栄養素のバランスが重要であることはいうまでもない。蛋白質,脂質,炭水化物による過不足ないエネルギー摂取と,ビタミン,ミネラルも加えたバランスのとれた栄養素の摂取が基本である。それは妊娠前も妊娠中も変わりがないが,妊娠中は適切な栄養状態を維持し,正常な胎児発育や分娩を行うために追加で摂取すべき栄養が必要である。日本人の食事摂取基準(2025版)1)には,概して妊娠前に加えて初期は+50 kcal,中期は+250 kcal,後期は+450 kcalの負荷量が推定エネルギー負荷量として示されている。ただし妊婦個々の体格や妊娠中の体重増加量および胎児の発育状況の評価を行うことが必要である。
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