連載 [講座]子どもを取り巻く環境と健康・19
妊娠中のカフェイン摂取の母児への影響
佐田 文宏
1,2
,
佐々木 成子
3
,
岸 玲子
2
1中央大学保健センター
2北海道大学環境健康科学研究教育センター
3北海道大学大学院医学研究科公衆衛生学分野
pp.701-707
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208514
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カフェインは,嗜好品であるコーヒー,紅茶,緑茶,ココア,チョコレート,ソフトドリンク等に含まれ,経口的に摂取される.コーヒーの効用(効能)に関する情報が流布していることから,コーヒー(特に,含有するカフェイン)摂取は,健康によいと思いがちであるが,必ずしもそうではない.特に妊娠可能な若い女性には,流産や胎児発育遅延のリスクを高める可能性があるので注意を要する.妊娠中の女性は,日々の飲食中のカフェイン摂取量に関心を持ち,過度に摂取しないように心掛けることが必要と思われる.今後,カフェイン摂取に関連する遺伝的な体質と摂取制限に関する有効な方法を明らかにする研究がさらに進歩すれば,妊婦の栄養指導に,体質の把握とともにカフェイン摂取制限を含めることを考慮すべきと考えられる.
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