徹底分析シリーズ 術前内服薬はそれでいいのか?—止めてはいけない理由,続けてはいけない理由を知る
コラム:サプリメントについて—摂取状況の確認にはコツがある!
永井 梓
1
Azusa NAGAI
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野
pp.674-675
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201149
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日本のサプリメント事情
コンビニエンスストアやドラッグストア,インターネット通販などでサプリメントや健康食品を手軽に購入できる時代になりました。利用したことがある読者も多いのではないでしょうか。サプリメントに行政上の明確な定義はありませんが,一般的には特定成分が凝縮された錠剤やカプセル形態の製品のことで,健康の保持増進に資する食品全般が健康食品とされています1)。最近よく見かける「特定保健用食品(トクホ)」や「栄養機能食品」,「機能性表示食品」という表示がある商品は「保健機能食品」に含まれ,製品の機能性を表示することが許可されています。これら以外の製品は便宜上「いわゆる健康食品」と呼ばれ,商品に機能性を表示することはできません(図1)。
日本のサプリメント・健康食品市場は年々拡大しています。ある市場調査2)によると,2017年度の日本での市場規模は1兆5,624億円,利用者数は5648万人と推定されています。多くの国民に利用されているサプリメントですが,中には出血のリスクを高める成分や麻酔薬の効果に影響を及ぼす成分が含まれたものも存在します。したがって,術前診察において摂取の有無を把握し必要があれば休止を指導することが必要です。
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