特集 外来診療・診断のピットフォール
各論:代表的な疾患のピットフォール 中枢神経系
熱性けいれんだと思ったらけいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)
一ノ瀬 文男
1,2
,
實藤 雅文
1
ICHINOSE Fumio
1,2
,
SANEFUJI Masafumi
1
1佐賀大学医学部小児科
2国立病院機構嬉野医療センター小児科
pp.435-438
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002331
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症例
11か月,男児
現病歴:発熱翌日に全身強直間代けいれんが出現し,前医へ救急搬送され入院。けいれんは持続し,ミダゾラム・ホスフェニトイン静注でようやく頓挫し,持続時間は55分間であった。頭部CT・MRI・髄液検査で明らかな異常を認めなかった。入院翌日には意識清明となり,入院4日目には解熱して体幹の小発疹が出現し突発性発疹と診断した。入院5日目に活気は戻ったが,夜間に間代発作・強直発作が群発するようになり,ホスフェニトイン静注で頓挫した。入院6日目に当院へ転院し,同日に実施した頭部MRIでは,両側前頭葉・頭頂葉・側頭葉の一部で左右対称性にU-fiber領域を含む皮質下白質の拡散強調画像(DWI)で高信号(bright tree appearance),ADC mapは同部位低信号であった(図1)。

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